日本人の配偶者ビザで日本に住んでおられる外国人の方が、離婚してしまったら、ビザはどうなるのでしょう。日本人と結婚している事が大前提でのこのビザでは、離婚は大変厄介な問題です。
まずやるべきことは、離婚の日から14日以内に、離婚したことを入国管理局に届け出なければなりません。
日本人配偶者としての活動を6か月間していないと、在留資格取り消しの対象となります。ですので、今後どうするか考えなくてはなりません。
➀帰国するのか
➁ビザの変更ができるか
という2つの選択肢があると思います。
その中で、ビザの変更についての選択肢は次のようなものがあると思います。
1)大学卒業等の学歴、IT系の資格、若しくは、10年以上の職歴がある場合、その知識を生かせる会社に就職して「技術・人文知識・国際業務」のビザに変更できないか?
2)起業し、または起業していれば、「経営管理」のビザに変更ができないか?
3)定住者ビザに変更できないか?
といった所だと思います。(日本人か永住者の方と再婚するケースもあると思いますが、ここでは省きます)
学歴・職歴も足りない、起業もしていないし、起業することも予算がないという事であれば、就労系のビザに変更することはほぼ絶望的です。なお、離婚後の「経営管理ビザ」は、本当にビジネスをするのか、といった観点から非常に難しいビザ変更申請になります。
そしたら、定住者ビザに変更ができないか、検討します。
定住者ビザは次のような場合に与えられるとされています。
「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」
上記の定義から推察されるように、日本人と離婚後に定住者ビザへの変更が認められるための要件は、明確な規定があるわけではなく、個別のケースごとに判断されます。
許可の可能性が高いのは、離婚した日本人との間に子どもがいて、その子の親権をもっており、扶養していかなければならない、といった事情がある場合は、許可される可能性が高いです。子ども(日本人)を守る必要があるためだと思います。
その他はケースバイケースです。
例えば
「日本人夫の暴力、借金、ギャンブル等が理由で離婚した」
「日本での生活が長く、生活の基盤が日本にあり母国に帰国したら生活が難しくなる」
などの事情であれば、許可される可能性はあります。その際、合理的な理由を説明できることが重要な要素になってきます。また、安定的な収入があることや、納税義務をちゃんと履行していること、日常生活に不自由しない程度の日本語能力があること等、様々な要素が審査されます。
また、定住者ビザに変更するときは、身元保証人を用意する必要があります。身元保証人は通常日本人または永住者の方がなりますから、信頼をおける方にあらかじめ声を掛けておくことも必要になります。
こういった離婚のリスクを回避する方法として、日本人の配偶者ビザをお持ちの外国人の方で、一定期間日本にお住まいの方は、ぜひ永住申請をしておくことをお勧めいたします。永住ビザを取得しておけば、離婚時のリスクは無くなりますし、また、就労制限もありません。日本で生活していく上で大きなアドバンテージだと思います。
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