結婚相手がオーバーステイだったら

結婚相手の外国人の方が、オーバーステイだった場合どうしたら良いのでしょうか?

オーバーステイの状態は、当たり前ですが大変よくありません。早くこの状態(法律違反)を解消する必要があります。解消といってもその事実が消えるわけではなく、一度帰国するか、きちんと日本に在留できる状態にせねばなりません。

1.帰国する場合

すぐ入国管理局へ出頭し、「出国命令」を受け一度帰国する。出国命令をうけるには次の条件を全て満たしている必要があります。

・出国の意思をもって自ら入国管理官署に出頭したものであること

・不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと

・窃盗罪等の一定の罪により懲役又は禁錮に処せられたものでないこと

・過去に退去強制されたこと又は出国命令を受けて出国したことがないこと

・速やかに本邦から出国することが確実と見込まれること

簡単に言えば、オーバーステイ以外に犯罪歴が無いことや、出国する意思が必要です。出国後、原則1年経過すれば再度入国することが出来ます。

2.引き続き日本に在留したい場合

この場合、まず双方の国において結婚手続をし、その後必要書類を収集・作成し、入国管理局に2人で出頭する必要があります。出頭し、所定の手続を受けます。その手続は「退去強制手続」といい、その手続の中で、外国人の方の意見や希望を聞く機会が設けられており、最終的に法務大臣の「在留特別許可」をいただき、「日本人の配偶者等」というビザを与えられるようにしていきます。

まず、婚姻手続きについてですが、通常通りに婚姻手続きができるとも限りません。オーバーステイの外国人の方が婚姻要件具備証明書が取得できるかどうかポイントになります。また、日本の市区町村役場において、その場で受理されるかどうか、市区町村役場から法務局に対し、「受理伺い」になる可能性もあります。このとき、パスポートが切れていたら、そのパスポートについても、在日の自国大使館において発行してもらう必要があります。

無事、婚姻手続きが済んだ後は入国管理局に出頭するための準備を行います。

必要な書類を全て揃えた状態で出頭するようにしますが、この退去強制手続を経て、「在留特別許可」をいただくための必要書類は、ダウンロードできるものでもありません。通常は専門家に依頼するような形をとったほうが無難であると思います。

「在留特別許可」のポイントとしては、

結婚していること

結婚した二人が同居していること(夫婦としてちゃんと生活している)

今まで、オーバーステイ以外に犯罪を起こしていないこと

例)麻薬の密輸等の重大犯罪、出入国管理の根幹にかかわる犯罪(不法就労、人身売買、売春等の犯罪)を起こしていない。その他の犯罪もしていないこと。また、オーバーステイしている外国人本人が仕事をしていないこと(不法残留中であるので就労が出来ないはずです。仕事をしていれば不法就労になります)。

二人の間に子どもがいると、さらに考慮される可能性があります。

二人が出会った経過、結婚までのいきさつ、日常生活における1週間の行動パターン(生活リズム)、今後の婚姻生活、収入状況等といった事を書類にて説明していきます。この手続において、入国管理局は「偽装結婚ではないか」ということを疑っています。ですので、結婚生活をちゃんとしていることが大前提となってくるのです。また、生活をしていく月々の収入(日本人の方の仕事)があるのかという事も大事な要素です。

書類を入国管理局に出頭した際に提出し、さらに追加提出書類を指示されたら、その書類を指定された期日までに提出するようにします。その後、入国管理局より出頭要請があった場合は、出頭します。これを繰り返し行い、最終的に法務大臣が特別な事情あり、と判断すれば「在留特別許可」により「日本人の配偶者等」の在留資格がいただけるようになります。この間、おおよそ1年程度かかると思われます。

今までの在留状況が良くなければ、許可は出ません。退去強制手続により、出国命令書が交付されたら、出国し、帰国せねばなりません。出国命令書で帰国した場合、出国した日から1年間日本への入国が出来ません。退去強制令書による送還である場合は、出国した日から5年間日本に入国が出来ません。そうなった場合は、その期間が過ぎた後に「在留資格認定証明書」による呼び寄せで、日本に入国してもらうしかありません。しかし、当然審査は厳しくなります。

オーバーステイである方と婚姻する場合、迷わず専門家に頼ることをお勧めします。

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