短期滞在ビザから他ビザへの変更

ビザの種類で短期滞在というものがあります。

 

短期滞在

本邦に短期間滞在して行う観光,保養,スポ―ツ,親族の訪問,見学,講習又は会合への参加,業務連絡その他これらに類似する活動

該当例:観光客、親族訪問等

滞在期間:90日若しくは30日又は15日以内の日を単位とする期間

 

この短期滞在は、最大で90日間、日本に滞在することができます。主に、観光や親族訪問で日本に来るときのビザとして知られています。当然、就労する類のビザではありません。

現在の法律では、この短期滞在で日本に入国し、その後他のビザへ変更することは原則認められておりません

出入国管理及び難民認定法 第20条第3項

「法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもって在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする

 

しかし、実務的には短期滞在からの変更を認めることもあります。

短期滞在から、他のビザへの変更をする場合は次のような方法で行います。この場合短期滞在ビザの期間は90日である必要があります。

 

例:短期滞在ビザから日本人の配偶者ビザへ変更する場合

➀短期滞在ビザ90日で来日

➁「在留資格認定証明書交付申請」をする

➂「在留資格認定証明書が交付」されたら

➃在留資格認定証明書を添付して短期滞在から日本人配偶者ビザへ在留資格変更許可申請をする

この方法で注意しなければならないことは、在留資格認定証明書交付申請が、短期滞在(90日以内に)中に結果受領していて、かつ変更許可申請が受理されている事が条件であり、➃の変更許可申請が入国管理局に受理される前に短期滞在の期限が切れてしまうときは、一度帰国しなければなりません。帰国しないとオーバーステイになってしまいます。

ですので、前もって必要書類の収集及び作成をして、計画的に申請スケジュールを立てる必要があります。在留資格変更許可申請が入管に受領までされていれば、短期滞在の期間90日が過ぎても、変更許可申請の結果が出るまで、又は短期滞在期間が過ぎてから2か月のいずれか早い日まで日本に在留することができます。もちろんオーバーステイではありません。

このケースで、短期滞在から就労系ビザに変更することもできますが、その際もっとも注意すべきは、短期滞在ビザで来日している最中、企業と雇用契約を結んだときの雇用条件です。就労ビザに変更できないうちに雇用開始時期を短期滞在で在留している日程からにしてしまうと、短期滞在では就労が出来ないのに、就労してしまっている事になりかねないためです。当然違反行為ですし、企業側だって違法就労と言われてしまう事も考えられます。従って、雇用契約には、「在留資格取得時から」という停止条件を付帯して雇用契約を結ぶべきです。

例:「この契約は、日本政府により入国(在留)許可されない場合は発行しない」等

 

観光等の短期滞在の場合、国によっては、ノービザでくることができる国もあります。

代表的な国としては、韓国、アメリカ等が挙げられます。

また、韓国の方との国際結婚を例に挙げると、国際結婚に必要な書類が全て在日韓国大使館等で揃えることができるため、短期滞在中に結婚手続きから、認定証明書、変更許可申請まで行い、そのまま日本人配偶者ビザを取得するケースもあります。

 

しかしながらあくまで例外であり、呼びたい外国人の方が外国におられる場合は、認定証明書交付申請を行い、在外国の日本大使館でビザ申請し、日本に来日すべきです。

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