今現在、日本に中長期の期間住んでいる外国人の方が、日本人の方とお付合いをし、その後結婚した場合ですが、ビザはどうするべきでしょうか？「日本人の配偶者等」というビザに変更しなくてはならないのでしょうか？

結論からいうと、必ずしも「日本人の配偶者等」というビザに変更しなくてはならないわけではありません。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」という就労系のビザで日本にお住まいの方は、日本人の方と結婚したとしても、現在の「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の該当性（就労活動）が失われない限り、日本に居住を続けることが出来ます。

ただ、「技術・人文知識・国際業務」などの就労系のビザは、就労している会社の審査も関わってくるため、転職等をした場合、ビザの更新ができるかどうか分かりません。また、転職した場合は、2週間以内に、転職した事などを報告する義務があります。

その点、「日本人の配偶者等」に変更した場合は、そういった就労制限がなくどんな会社でも、どんな職種であっても働くことができます。また、転職の際の入管への報告義務はないため、変更するメリットは多いのです。

それでは、「定住者」ビザの方が、日本人の方と結婚した場合はどうでしょうか？「定住者」ビザは「日本人の配偶者等」と何か違いはあるでしょうか？

「定住者」ビザも「日本人の配偶者等」と同様に、就労制限がなくどんな会社でも働くことができます。また、転職した場合も入管への報告義務がありません。また、日本人の方と離婚若しくは死別してしまった場合、「日本人の配偶者等」のビザの場合は、その事を入管に報告する義務があります。

一方、「定住者」ビザの場合は、日本人と離婚、死別した場合の報告義務はありません。「日本人の配偶者等」のビザをお持ちで、日本人の方と離婚や死別してしまった後は、他のビザ(主に定住者ビザ)に変更を検討しなくてはならないですが、100％変更できる保証もありません。

以上の事から、ケースバイケースではありますが、「定住者」ビザの方が日本人の方と結婚した場合は、「日本人の配偶者等」に変更してもメリットが多いとは言えませんので、私の事務所では「定住者」ビザのまま更新をする事をお勧めすることが多いです。

いかがでしょうか？変更した方が良い場合、そのまま変更せず更新した方が良い場合などケースバイケースです。その方の事情により異なってくると思います。悩んだときは専門家に相談してみましょう！